15 Dec 2020

雅楽の古譜を読む:納曽利 破 急 高麗壱越調

 改訂版。琵琶だけがE Ionian modeで演奏し、残りはE Mixolydianだったのを総てのパートがE Ionianで演奏する様に変更。箏のアルペジオは止めた。繰り返し回数を増やしてテーマを憶え易くした。


双龍舞とも呼ばれる舞い。その名の通り2匹の龍が舞うという設定らしい。

これも相撲や競馬の節会で演奏されたらしい。

1人の舞人で舞う時は「落鱒」(らくそん)と呼ばれた。


この曲は破と急の楽章の間を切れ目なく演奏することがあったらしい。そのためのブリッジも譜に残っている。

箏の譜や琵琶の譜に拍子の記号が書かれていない箇所が多く、それぞれの譜やまた別の譜を照らし合わせながら読んだ。

Youtubeには舞いのついている動画が幾つもある。

これは簡単な解説がついて動画のどこから楽章が変わるかわかりやすい。2倍速でみると音楽もおもしろく聞こえる。少しだけだが。
古譜では箏や琵琶の譜が残っているのだが、最近の雅楽の演奏では高麗楽は弦楽器無しで演奏されている。それが余計につまらなさを感じさせていると思う。
これ破と急とそんなにテンポ変わらないように感じる。大きくテンポがかわることはほとんどないと思うが。これは西洋音楽でも言えることで昔の演奏は緩急の差はせまかったらしい。こちらが僕が古譜を読んで作った音源。
現代の雅楽は狂っていると思う。

参考文献
  • 六調子及高麗曲譜 宮内庁書陵部 伏872
  • 六調子並高麗曲譜 宮内庁書陵部 伏808
  • 教訓抄 日本思想体系 岩波書店
  • 三五要録 宮内庁書陵部 伏931
  • 六調子曲並高麗曲譜 宮内庁書陵部 伏884
  • 仁智要録 宮内庁書陵部 伏865
  • 楽家録巻之十七、十八、十九、二十
  • 平安時代の箏ー失われた伝承をめぐってー スティーヴン・G・ネルソン 2008