16 Dec 2020

雅楽の古譜を読む:地久 破 急 高麗双調


琵琶譜がA Lydianで書かれているので、それが正しいとして他をA Lydianに統一してみた。


読みは”チキウ”。

別名”ヒタカホテモ舞””圓地楽”

面と甲を付けて舞う。虫除けの薄くて白い布を顔の前にかけるらしい。

こちらは第1版で古譜にあるように琵琶はA lydianで書かれているのをそのまま音にしている。次の動画ではそこを修正している。

呂催馬楽の「桜人」「美ノ山」に合うらしい。

桜人の内容は一夜を過ごした男が「明日また来る」と言って帰っていくのを「明日来ると言ったって妻帯者だから来ないでしょう。」と思いながら見送っているというもの。

アーフタクトで始まる曲が左方楽では珍しいが右方楽には幾つもある。

琵琶パートはA lydianで書かれているが、箏パートはA dorianだったりする。これは改訂版。

高麗双調は双調とつくからMixolyidianかと思いきやdorianだった。つまり黄鐘調と同じ。
試しにメロディをA mixolydianにしてみるとBとC#のクラッシュが気になって仕方ない。(単に僕のNotaterの知識の不足だった。)
そこでA dorianに統一することにして琵琶パートを修正してみた。
何故琵琶をA dorian 黄鐘調弦で書かなかったのか?黄鐘調ではないからか?と言う事はA dorian以外の可能性が高まる。


Youtube上に舞いの付いた動画がある。2倍速で再生するとちょっと面白い。

この動画の太鼓のパターンは高麗曲用の四拍子のパターンで僕も使っている。
どうしてこんなに彩りの無い旋律になるのだろうか?この人たちが音楽上手いとは思えない。

これまでの僕の音源動画では箏でアルペジオを常に聞かせていたのだが、この奏法は昔用いられたものではないと指摘があった。そこでアルペジオではなくて単音を同時に弾くように変更した。これによって低音が明瞭に聞こえる。この低音をテーマとして管楽器のソロの部分に重ねるとソロが効き易い。この場合ベースは要らない。全体として繊細さを増したと思う。また作業量も減った。