31 Aug 2022

催馬楽を地域の無形指定文化財にできるか?

名古屋市は催馬楽 桜人を市の無形文化財に指定している。


これを他の都市でもできないだろうか?

2022/08/21 伊勢市に伊勢海を提案してみた。

2022/08/31 メールで返事が来た。

このたびは、文化財指定に関するご提案をいただきありがとうございます。

また、資料を拝見させていただきましたが、柳田様の曲目の復元作業に対する熱意とご尽力には敬服いたしました。

さて、ご承知のことかと存じますが、ご提案の文化財指定には要件があり、無形文化財の場合、当該芸能等を高度に体現できる保持者や保持団体が必要となります。さらには、保持者等の同意も必要となりますが、当市にそのような保持者等は見当たらないため、現時点での文化財指定は難しいものと考えますので、ご理解くださいますようお願いいたします。

(回答担当)

文化政策課

その地域で継承されている事が要件。つまり誰かに覚えてもらって演奏すれば良いということか。

伊勢市には祖霊社という団体で雅楽が演奏されているが、メールでは連絡とれず。

2022/08/31 みえ雅楽会という演奏団体を見つけたのでそこへメールを送った。伊勢海を演奏して、無形文化財指定を受ける提案と古譜の雅楽の再現演奏についての提案。



29 Aug 2022

明治撰定譜を読む:伊勢海

 明治撰定譜にある催馬楽には和琴譜もある。

和琴は旋律を全く演奏しない。パターンを繰り返し演奏している。

僕の音源同画では和琴に特有の演奏方法を行っていない。

旋律が活き活きと奏でられるテンポを先に設定して、和琴は特有の演奏方法を省いてそのテンポに合わせている。


同曲を平安時代の古譜から復元したものが次の動画。


古譜にある旋律を4/5拍子に移し、手を加えたものが明治撰定譜の様子。

27 Aug 2022

催馬楽の曲と関連する地方

催馬楽の由来と思われる地方のリスト

  • 蓆田 岐阜県本巣市郡府
  • 葛城 奈良県葛城市
  • 蓑山 
  • 伊勢海 三重県伊勢市
  • 紀伊州 和歌山県 白浜町
  • 石河 大阪府南河内郡
  • 飛鳥井 奈良県高市郡飛鳥村飛鳥
  • 桜人 愛知県名古屋市天白区島田
  • 難波海 大阪府寝屋川市石津?
  • 美作 
  • 山城 京都府南部

風俗歌の由来と思われる地方のリスト
  • 伊勢人 三重県伊勢市
  • 常陸 茨城県

25 Aug 2022

明治撰定譜を読む:蓆田

 催馬楽の蓆田。岐阜県の席田小学校は催馬楽の蓆田の発祥の地らしい。小学校で雅楽体験会を行っている。

席田小学校 雅楽体験会

このサイトで見れる越殿楽と蓆田、蘭陵王は、古譜とは全然違う。

今回蓆田の明治撰定譜を読んでみたが、それと上記サイトの演奏動画はまた違う。現代の演奏は明治撰定譜に基づいていると思っていたが、違うのかもしれない。明治時代よりもさらに権威を高くしめすためにおかしな編曲にしたのだろうか?

明治撰定譜は結構整理されて書かれている。ほぼユニゾンなのは古譜のにも見られる。4/5拍子なので、本来の4/4拍子のノリノリな感じがない。権威を高く感じさせるためのハッタリ手法だろうか?


この曲は管楽器の古譜も残っている。


三五要録の退宿徳の譜に添え書きされている笛譜は、装飾が取り除かれ簡素な旋律となっている。新撰笛譜の旋律も簡素に書かれている。平安時代末期までは木管楽器は箏琵琶よりも簡素な旋律を吹いていたらしい。
そこで木管楽器の譜を新に起こしたのがこれ。箏と琵琶は古譜のまま。



22 Aug 2022

参政党離党

 三重支部はもめているので、参院選後これといって何もできない状態。バカバカしいので離党した。
三重県にはずっと住んでいるが誠実に行動するキレ者は皆無。参政党に集まる人ならマシかなと思ったが、思い過ごしだった。高校中退して以来、社会には距離を置いてきた。30年経過しても何も変わっていない。生きている間には何も変わらないだろうな。ほんと愚民。

17 Aug 2022

GIMP使い方

 TシャツのデザインにGIMPを使ってみる。

オリジナルデザインの入稿データを調べてみた。

Illastratorでの入稿データは3000x3000 pixels

JPG、GIF、PNGだと300から350dpi以上



家紋
フリー素材サイトでダウンロード。

丸三つ柏

これの背景色を透明にして文字色を白にする。


EPSを350dpiで読み込む。

背景色を透明にする3種類の方法の”特定の色を透明にする”で白を透明にする。

レイヤー->透明部分->アルファチャンネルの追加

ツール->選択ツール->ファジー選択で白の部分をクリックし、DELETE

ツール->選択ツール->色域を選択 で黒の部分を選択し、塗りつぶしツールで選択部分をクリックする。

ツール->選択ツール->矩形選択でクレジット部分を選択肢、ctl-xでカット。

PNGで出力。


イラスト

国会図書館のデジタルギャラリーから楽家録38巻の貴徳の甲の掲載されているページをダウンロード。

GIMPで3000x3000 pixelsの新規画像を作成

貴徳の甲の画像を読み込み、選択して切り取る。

GMIPで作成した画像に貼り付け、ツール->拡大縮小で縦横比を固定して拡大。


Inkscapeで画像を線画にする。

16 Aug 2022

催馬楽 桜人3

2022/09/20

先の意見書を送ってから数日は桜人の動画のアクセス数が少し伸びた。それ以外は全く変化なし。


2022/08/15 名古屋市のweb site市政の声から、桜人に関する意見書を送りました。

これからどうなるか?

11 Aug 2022

催馬楽 桜人2

 以前に書いた記事 催馬楽 桜人 雅楽の古譜を読む:桜人

名古屋市指定無形文化財である桜人。1956に指定を受けた。

元に成った楽譜は歌譜。平安時代に成立した仁智要録と三五要録には収録されていない源家の譜である。

その譜を音源化したのがこちら。客由など細かい装飾の記号は無視して、音程のみを拾って作った。G Mixolydianも試してみたが、おかしな響きで歌いにくかった。これの音価を2倍にすると仁智要録、三五要録と比較しやすい。フレーズ毎に見ていくと音程が似ているのがわかる。

この譜を元に羽塚堅子氏が、桜人の譜を作ったと考えられる。彼の著書「桜人考」に譜が掲載されている。

その譜は10/4拍子で書かれている。現行の雅楽は古譜の4-12倍遅く演奏されている。そこで音価を半分にして、源家の譜と同様の5/4とした。さらに適切なテンポを与えて音源化したものがこちら。G Ionian modeと思われる。


2022/08/14 読譜の誤りを修正した動画に置き換えた。

歌のパートは源家流の桜人を簡素にしているように見えるが、比較すると異なる点が多い。旋律のスケールはG Major pentatonic scaleで、源家流や仁智三五に見ることができるF#又はFが用いられていない。

全体にかなりご機嫌にできているのがよくわかる。これを何倍も遅いテンポで演奏して、この曲想を悟られないようにしているわけ。それが雅楽を荘厳に聞かせるための現代の手法。明治以降の政府によって要請が度々あったため、現在の雅楽のテンポが元の曲想を悟らせない位くなった。

次の動画は平安時代末期に成立した仁智要録と三五要録という古譜に書かれているものから作った。上記羽塚氏の労作とは違いがあり過ぎると思う。仁智、三五には曲によって藤家と源家の両方の譜を掲載している。それらを比較すると大きな違いはない。源家流の旋律と仁智三五から復元した旋律は似ている。

桜人の源家の譜は仁智、三五が書かれた年代よりも後になってから、朗詠の影響を受けて作られたのではないだろうか。


名古屋市の雅音会 桜人保存会で桜人が継承されているとのこと。この会で用いられている譜面は羽塚堅子氏によるものと思われる。念のために2002/08/12 10:04 AMにサイトの問い合わせから質問しておいた。同サイトから動画がへのリンクがあった。それが以下のもの。テンポが非常に遅いので、現行の雅楽のように古譜の4-12倍の遅さで演奏するという習慣を受け継いでいるものと思われる。Youtubeで再生速度を2倍にすると少しまし。こちらの動画のコメントでも質問しておいた。



9 Aug 2022

明治撰定譜を読む:地久を古譜と明治撰定譜で聞き比べ

名古屋市の無形文化財に指定されている催馬楽の桜人。仏教僧魚山寺堅子によって譜が書かれた。彼の著作によると、古い書に桜人は地久の旋律と書かれているので、明治撰定譜の地久をベースに譜を作ったらしい。

掲載されている箏の譜は明治撰定譜と同じだった。
歌詞のついている琵琶譜は異っていた。

平安時代末の古譜と比較してみたところ、全然違った。ただ同じ曲であることはなんとかわかる。
筝はA minor Penta tonic A B D E F#
琵琶はA B C(C#) D E F# G#
というMinor melodic or A Ionian scale。

箏は左手で音程を作らないので、五音音階になっている。琵琶の旋律は合わないところがあるし、CとC#が両方出てくるのおかしい。効果的に出てくるならまだしもそうじゃない。

僕の古譜の研究ではA Lydianだからさらに明るいと考えている。D#が高麗曲にのみ在る特徴的な音なので、それは使うハズと考えている。


明治撰定譜は関西各地で演奏されていた雅楽と江戸時代に復興された雅楽を統一して作られたもの。地久については平安時代に成立した箏琵琶の古譜が考慮されていないことがわかる。古譜よりも各地で伝承されて、変化した方を活かしたわけか。

7 Aug 2022

結美大学の雅楽についての動画につっ込みを入れる


2:02 古代中華帝国にあった宴会用の舞楽で燕楽と呼ばれた。雅楽は宗教的儀式の音楽のことでこちらは日本は取り入れなかった。となりのトトロでさつきとメイが庭の大木の上でトトロ達と吹いていた丸い土笛が用いられる。この笛はB.C.5000-4500年前の長江下流域の河姆渡文化の遺跡から発掘されていて、日本でも北九州から能登辺りまでの範囲の弥生時代後期の遺跡から100個位見つかっている。


3:24  遣唐使の停止以後に、中華帝国から講師を招いて学んでいた。この時楽制改革が行われて左方楽と右方楽にまとめられたか。


3:50 平安時代とか明治に入る前は雅楽以外の音楽としては田楽があった。田楽は大変盛況だったことが古い書物に書かれている。田楽は612伝来の大乗仏教系仮面音楽劇:伎楽の楽器編成(笛、腰鼓、銅拍子)に呪術用ささらを加えて演奏される。伎楽由来か?田植え前に田に入って演奏し、地鎮を行った。田楽は田楽法師だけに許可されていた。現代に伝承される獅子舞には田楽の要素が組み合わさったものがある。雅楽よりも複雑な構造を持つものもあり、それらは楽譜を用いず伝承される。


6:33 平安時代に成立した新撰笛譜(一部のみ残存)、末期に成立した雅楽の古譜(仁智要録、三五要録)全体が残存。しかし、戦国時代に宮中(朝廷)の雅楽が断絶し、それを伝えるものがいなくなった。江戸時代初期からの雅楽復興の時には地方で雅楽を伝えていた楽人達が集められて復興したわけだが、彼らは宮中の雅楽の姿を知らない世代だった。江戸時代までは一般庶民には雅楽を学ぶことは禁止されていた。明治から一般庶民も学べるようになった。そこで地方の雅楽と統一しようということになって、明治撰定譜ができた。道教系の曲は廃止された。この明治撰定譜は平安時代から室町時代に成立した雅楽の古譜と異なる点が多い。箏の左手の奏法の省略とか、日本独自のアレンジ版である楽拍子がないとか。元々はすべての楽器が全員で旋律を演奏していたのだが、明治撰定譜ではそうなっていない。琵琶は古譜のままだったりする。なので旋律を弾いているのは主に琶のはず。

明治撰定譜をMIDIで再現した音源を公開している方がいる。雅楽のMIDI再現。僕が古譜から作っている音源もMIDIで行っているので、聴き比べし易いと思う。


9:41 ベトナムから日本に林邑楽が伝来した。これは大乗仏教系の舞楽で752の大仏開眼供養で演奏された。抜頭という曲は林邑楽の曲で、林邑楽は仏哲という僧が伝えた。漫画、アニメの攻殻機動隊の登場人物バトーは自分の名前をバトー仏哲と言っている。その容貌からも抜頭をモチーフにしていることがわかる。


11:02 612伝来の伎楽が”諸仏の供養は楽を以って行え”という詔に従って、神道と融合した仏教、その寺院を中心に広まった。雅楽が入ってきて、伎楽曲が部分的に入れ替えられたり、拡張されたりして儀式が整えられていった。雅楽曲には仏教系の舞楽が多数ある。


13:49 雅楽は江戸時代の復興によってそれ以前とは異なるアレンジが施されている。明治以降は政府からの要請でより荘厳に聞こえるようにテンポを落とすことを要請され、その結果今は古譜の4-12倍の遅さで演奏されている。”さくら さくら”を4倍の遅さで歌ってみると、元の曲想の印象とかなり違うのわかる。それ位古譜と現代の雅楽は異なっている。また笙の古譜には調子には和音で演奏する記号が書かれているが、曲には和音のための記号はほぼ書かれていない。現代の演奏は和音使いまくっている。

江戸時代には古譜の写が多数あった。宮内庁書陵部に多数残されている。唱歌は4-12倍遅いテンポで、引き伸ばされた音に抑揚を持たせてそれらしく聞こえるようにしたものではないのか?鎌倉時代に成立した音楽書の教訓抄には唱歌について言及があるので、当時存在していたことはわかるが、現在まで伝承されている唱歌譜が当時と同一のものかはわからず。器楽の古譜をMIDIで再現してみると唱歌の介在する余地はほぼないことがわかる。


24:30 管弦は早め、舞楽は2倍の遅さではないのか?逆のことを言っている。この場面の舞いの動画は倍早い。


25:40 蘭陵王の高恭順の話は?蘭陵王は林邑楽に含まれるので、龍王による呪術舞という説がある。抜頭も猛獣に両親を殺された子供が復讐を果たすというストーリーになっているが、これも?高楠博士は王の馬が毒蛇を踏み潰して退治した場面を描いたという説が古譜の旋律には合う。



19:13 其駒を多家秘書に含まれている譜を分析して、テンポを落として間延びした箇所に適用されたパッセージを排除し、本来のテンポに戻したもの。この曲は神を呼び出して舞楽を楽しんでもらった後、送り返す時に歌われる。だから”馬でもおみやげにどうぞ”という位の意味か。


29:33 更衣の古譜を音源にしたもの。この曲は今年の新作よーってお披露目して、衣替えしましょうよ!って呼びかけているCMソングと考えられる。



30:51 五常楽。古譜を音源にしたもの。序破急そろってます。古譜には詠(えい)と呼ばれる詩が書かれている。元々は歌詞だったという説もある。

31:58 序は決して遅いテンポではない。4拍子の曲、6拍子の曲というように一定の拍子で作られている曲ではないだけ。フレーズ毎に長さが異なっている。
破は一定の拍子(4/4拍子2小節を1グループにするので、雅楽では8拍子となっている。)で作られた曲。テンポは中庸。
急も一定の拍子(2/4拍子2小節を1グループにするので、雅楽では4拍子となっている。)で作られた曲。テンポは早め。


35:16 各調に調子がある。上調(かんじょう)、略式、入調(にゅうじょう)これらは舞楽の時、舞い人が舞台に登場する間とか退場する間に演奏された。この作曲技法は対位法と思われる。”かえるのうた”とか輪唱の曲を作る技法。

例えば、太食調調子

4 Aug 2022

雅楽の古譜を読む:器楽曲譜リンク

 雅楽の器楽曲の古譜を五線譜に書き直したものができた。


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