5 Dec 2020

雅楽の古譜を読む:埴破 高麗壱越調

読譜ミスを修正。

 ”はんなり”と読むらしい。

宮内庁書陵部に所蔵されている六調子及高麗曲譜 伏872には別名として”金玉舞”、”登球舞”とある。

子供が舞う童舞いとされることもあった。玉を持って舞うのだが、童舞いの時は花を持たせた。丸めた紙を持たせることもあったらしい。この舞いについての由来は平安時代末期にはすでにわからなくなっていたそうだ。(教訓抄より)

Youtubeには篳篥の独奏の動画があった。

僕は篳篥の古譜を見つけられなかったので、僕の動画では篳篥無しになっている。この人の演奏は現代の雅楽風に聞こえる。古譜を読んでいるのではないのだろうか?

これが僕が今回読んで音源化したもの。この曲のテンポは割とゆっくり。笛の譜の音符の大さに目を見張る。32音符の箇所が幾つもある。


雅楽の元になったのは大陸から伝来した舞楽。新羅楽、百済楽、高麗楽など三韓楽とよばれたものとか、インドからカンボジア辺りを経由して入ってきた林邑楽とか、隋唐の宴会で用いられた燕楽、朝鮮半島近海の済州島からと思われる渡羅楽など。燕楽は中華帝国の西方の国々の特徴的な曲が含まれていた。

龍笛はインドで発明されたBansuriが元になっていると思う。当時は最低音とその直ぐ上の第7指穴による音の音程は様々あっただろう。現在は最低音がReだったら第7音孔はRe#。妓楽の笛として伝わってきたものは最低音がDoとしたら第7音孔はDのものがあったと思われる。

日本の現在の龍笛では最低音は用いない。音程はDoかDo#で、第7音孔はD#。当初は最低音は最低音はReだった。江戸時代初期の宮廷の雅楽の再興の折りには最低音が半音以上低くなっており、古譜にある通りに吹けない龍笛が定着してしまい、これが現在まで続いている。

このバカな誤りを未だに直せないのが現代の雅楽。テンポも原曲の味わいがわからない位遅くなったまま、直そうともしないし。話しになりませんね。