12 Dec 2020

雅楽の古譜を読む:五常楽 急 平調

 

現代の雅楽の箏では失われて用いられない奏法について研究しておられる大学教授が冊子を送ってくれた。それを読んでもう一寸修正できる個所があったので直した。

Yourtubeにアップしたところいろいろとアドバイスをもらって読譜のミスに気づいたので修正版を製作してアップした。古いのも残しておく。

これまで製作した音源のほぼ総てに誤った読譜が用いられているので、それらはいずれ直す。

五常楽には序破急そろっているのだが、とりあえず今回は急だけ。

この曲は唐で作られたということになっている。平調というEを主音とする短調系の調で書かれている。しかし箏はほとんどの場合他の調の特徴音を用いて演奏するので、旋法の間を行ったり来たりする感じがする。これが古代の雅楽の箏の演奏の特徴と思う。この手法は現代の雅楽では失われている。左手を使って音程を作りながら弾く手法は高度だったのだろうか?現代雅楽はたいして上手くもない奏者でもなんとか弾けるようにレベルを下げているように聞こえる。

この様な手法を用いるのは現代ではMode Jazzに見られる。

毎度の通りテーマは箏の旋律からとっているが、臨時記号で他の調っぽく聞こえるので、それを直して平調の旋律にした。箏の元の旋律は曲の中程でソロとして演奏させている。

其々の楽器のソロは古譜にある通り、そのままの演奏。


Youtubeにも五常楽の急の動画があった。

これは急のテンポじゃないと思う。ナメクジの急の感じだとこんなかな。