17 Dec 2020

雅楽の古譜を読む:貴徳 破 急 高麗壱越調


紀元前に匈奴(北方騎馬民族)が中華帝国の漢に降伏して、属国になったという話しが元になっている。その匈奴の日逐王(じつちくおう)を帰徳候(きとくこう)と呼ぶらしい。

面を着けて舞う。その面が白表の鼻高面。一般的な鼻高面は赤で、天狗としても知られているし、日本書紀や古事記で描写される猿太彦の容貌だったりする。

Youtubeにも幾つも動画が上がっている。

これはばっちり白い面。2倍速で再生すると曲の旋律もちょっと楽しめる。舞いは雄壮なのかもしれないが、音楽はさっぱり雄壮に聞こえないけど、お祭りの囃子っぽい。聞くところによると雅楽では舞いが伴わなう演奏の場合は、その曲が管弦だけで演奏される時のテンポの倍の遅さで演奏するらしい。どうりで旋律聞き取り辛いハズ。2倍速再生で楽しめるようになるわけだ。

この貴徳には口がとがった鯉口という面があって、それは”ひょっとこ”面の元になったと考えられている。雅楽は明治になるまで一般の民衆は習うことができなかった音楽文化だが、祭囃子やお面などに影響があるのは余程おもしろかったということではないだろうか?
現在の退屈さがとても残念。
せめて曲を楽しめるテンポで倍にカウントして舞うとかできないのか?

これのペアになっている舞いが散手(さんしゅ)でこちらは赤い鼻高面を着けて舞う。