14 Dec 2020

雅楽の古譜を読む: 長保楽 破 急 高麗壱越調


右方楽の中曲。長浦楽、長宝楽、泛野楽など名前がある。

さらに破を保曾呂久世利、急を加利夜須という。

教訓抄でこれらの名を上げているがその名の由来については分からないとしている。

急については高麗笛平調、弦楽器下無調でkeyが違うとも言及されている。

仁智要録には急が2つ掲載されていて、同急とタイトルのある方は平調調弦で書かれている。三五要録には下無調の急だけが掲載されている。

笛と篳篥の譜は下無調で書かれているが、両方共小節数が異なっている。これらはどれも箏と琵琶の譜には合わない。

他のパートを移調して、箏の同急と比較してみたとろこ、管楽器は冒頭のテーマをそれぞれの末尾にコピペすればだいたい補完できる事がわかった。これで補完できない個所はそれぞれの譜の中の似た小節から切り貼りして補完できた。

こうして補完できた急は19小節あった。これは教訓抄で言及されている18小節に近い。冗長と思われる小節があるのでそれを省略したら18小節とすることができる。

これを下無調に移調して4本の楽器がそろった下無調の急ができあがった。


舞いのついた長保楽の急がYoutube上にあった。

急だけのもある。

右方楽の曲名は万葉仮名っぽい。この曲は長保楽という名だが、破を保曾呂久世利、急を加利夜須というらしい。これらの意味が分からないのは残念。
保曾呂は”ほそろ”は”ホト”で古い日本語で女性器を示すのではないか?”くせり”は古語の”くじる”で穴を開けると言う意味だが、”女性器を愛撫する(いじる)”といういみなのではないか?
”かり”は陰茎のカリで”ヤス”は古語で”やせる、やつれる”
つまり、破は女性器のを愛撫するする時にかける曲、急は男性器を果てさせて萎えさせる目的でかける曲ということではないのか?

左方楽の扶南と言う曲が房中楽で、子作りする行為の時に奏でる曲だったらしい。右方楽にも同種の曲があってもおかしくない。