18 Dec 2020

雅楽の古譜を読む:狛鉾 高麗壱越調

以前のものは琵琶がE Ionianで演奏されていた。他の楽器はE mixolydian。新しい版ではすべてE Ionianで演奏している。

 ”こまぼこ”と読む。

宮内庁雅楽部の動画があった。

2倍速で再生するとちょっとおもしろい。演奏は趣味の団体とは違いますね。最後の方だとちょっとおもしろい。お祭りの囃子みたいに聞こえる。

この曲は18小節のものと22小節のものがある。18小節の方は曲の終わりが属音になっていて半終止になってしまう。
22小節のものは主音で終わる。これは18小節のものに冒頭の4小節に似たフレーズが付け加えられているように見える。
そこで僕が古譜を読んで音源化した版では冒頭の4小節を付け加えて曲を終えるようにした。

僕の作った音源にしてはテンポが遅い。それは笛の古譜にあるメロディが、この曲の旋律が快適に聞こえる位のテンポでは到底演奏できない位難しいからだ。凝り過ぎだと思う。しかしながらこれが演奏可能なテンポを求めていくと14世紀位にはかなり遅めで凝りに凝った演奏がなされていたことが想像できる。演奏の腕前が凄かっらしい。現在の日本の笛の伝統的奏法では舌を使って発音を助けたり、音を区切る奏法がないのだが、古譜にあるとんでもなく凝った演奏や同音を連続で発音したりする箇所が出てくるとこのタンギングという奏法があったのではと思う。

途中からの部分を「蘇利古」という別の舞いに用いるらしい。「進蘇利古」というまた別の舞いの曲を演奏せずに隠す時に、この部分を用いるらしい。