24 Dec 2020

雅楽の古譜を読む:犬 破 急 高麗壱越調 改訂版


この曲は以前に動画にした。 

雅楽の古譜を読む:犬 破 急 高麗壱越調

法政大学で教鞭をとるスティーブンGネルソン教授の指摘を受けて、譜面の誤読箇所を修正したバージョン。

この曲は小節数によって3つ程の版があるが、笛の譜と小節数が合う基政説を採用している。

以前との大きな違いは音階。以前は琵琶はE Ionian、箏と笛はE mixolydianだった。これでも聞けないわけではないのだが、E Ionianは断然聴き易い。Ionianは長調の音階なので現代人の耳に慣れているからかもしれないが。


高麗壱越調自体がE Ionianスケールということになる。唐楽にはIonianすケースは無く、Mixolydian、Dorian、Lydian、Aeolianがある。そしてそれぞれに調弦方法がある。その調弦方法を用いて高麗曲の調も演奏するわけだ。それ故最も長調に近いMixolydianかLydianを適用して、半音でぶつかる第4音と第7音をトリルしてごまかすという手法が用いられているのではないかと考えていた。

Notationソフトの使い方にも慣れていなかったし、頭のメモリをめいいっぱい使っていたので方針を変えるという事ができずにいたというのもある。

2020年12月23日の時点で間違いはあるにしても高麗曲の全曲を読んだので、傾向は把握できた。もらった助言の活かし方も分かってきたので、修正版を作ってアップしていく。