27 Sept 2021

雅楽の古譜を読む:犬

 ”いぬ”

狛犬のこと。日本の雅楽は左方楽と右方楽にわけて整理された。この左右に分けるというアイデアは政治家のポストにも用いられており、左大臣と右大臣がある。このアイデアは日本のオリジナルではなく百済で行っていたものらしい。日本は百済の影響をずいぶん受けたようだ。

宮中の雅楽では伎楽から獅子だけを取り出し独立した曲として演奏していた。といっても獅子は仏教の御願供養の際に演奏されるもので11世紀以降から頻繁に演奏された記録がある。

仏教の供養ではかつては伎楽という音楽付きの仮面演劇をやっていた。これを元に儀式は拡張され雅楽の曲に差し替えられたり、付け加えられたりした。獅子は元々伎楽にあり、そのまま残され、狛犬が加わったらしい。

その狛犬の譜面が残っていた。これまでは乱声の譜を読むことができなかったのだが、読み方がわかったので読んでみた。ついでにより精密に譜面を読んでみて音源動画をアップグレードした。