12 Sept 2021

雅楽の古譜を読む:壱越調 調子

 調子は舞人が楽屋からでて舞台に上がるまで、舞終わってから楽屋に帰るまでに演奏される。

またそれぞれの声部の冒頭に音取を用いてチューニングすることもある。

壱越調の笛と篳篥には品玄という名で譜がある。これ以外に上調子と入調がある。

箏には幾つも譜があり、それぞれ長短があり、終わりの音が主音だったり属音だったりする。

琵琶には1つのパターンしかない。

これらの譜は冒頭を揃えて並べても心地よく響かない。それぞれが独立した旋律を持っているので合わなくて当然。これは自由対位法によるものらしい。

楽家録にある解説に沿って組み合わせても良く合う場合とおかしい場合がある。幾度が試して良い結果がえられるところを見つけた。



懐中譜の旋律は今一つ。伏808の六調子譜と同じ旋律が元になっていると思われるが、その旋律が活かされるような音価には思えない。

鞨鼓は叩き始めたら曲が終わるまで鳴らすことにした。楽家録には3度繰り返すことのないようにとあるのだが、一定のテンポで演奏した方がおもしろい。