21 Aug 2019

読書感想文: 盗まれた神話 古田武彦

日本古代の九州王朝説を打ち立てた古田氏の著作。彼の手法を学ぶ意味でも手取り早く史書の研究に関して知るためにも役立つ。
天皇はかつぎ上げられた御輿の存在で権威はあっても権力はない。その歴史は史書にあるが、その史書が周辺国の史書と合わなさ過ぎるところが多い。また8世紀に成立したとされているが、平安期かもしれない。
筑紫の大量の古仏教寺院跡と平安京への移築、関係あるのか?隋書の秦王国とか大阪の百済郡とか、宮内庁雅楽部の楽士が新羅系とか?

要約:
銅鐸にまつわる神話伝承が全くない現状から今天皇家は銅鐸祭祀と相容れない異質の文化圏の出身者で、近畿を中心とした銅鐸祭祀は根出やしになり、伝承も神話も消された。

おもしろい!学校で習った銅鐸だがここまで考えなかった。雅楽に銅鐸は用いられない。仏寺も神社の祭祀にもない。DNAは独自のものが混ざりながら残っている。つまり文化があとかたもなく消された。伝承もなくなるとは、文字がなかったからか?

612 百済から未摩乏が伎楽を携え、帰化した。桜井で少年を集め伝習させた。

これって九州王朝の話じゃないのか?あすか板ぶきの宮跡が筑紫にあるらしい。古代尺八愛好家の聖徳太子も九州王朝の話?多利思比古とその息子の業績を盗用したか?

津田左右吉の論文は荒い。

倭奴 いど国、わのなの国ではない?
倭奴 伊都 糸島?

熊襲の兄弟統治、多利思比古の?卑弥呼も。
景行神功の熊襲征伐は九州王朝成立譯。

古事記は天皇家内伝承。

百済本記 531 磐井 日本の天皇 敗死。
日本旧記は九州王朝のこと、九州が日本を使った。

三種の神器 九州北部漢代地層より出土。

日向は後に成立。

57 漢倭奴国王の時には漢字を扱えた。卑弥呼は重訳した。

紀記の神武東征の話はひどい。全く大きく和するではない。戦いで死んだ現地の有力者の死体をさらに切り刻み、さらした。和親を求めた者たちを酒宴に招き、謀って皆殺し、従わない者逹を追放し奈良を手に入れた。
中華の手法ではないか?

人心を握ぎるため、記紀を作って天皇家の支配の始まりを正当化し、人々を洗脳した。歷史的手法なのだろうがひどい話だ。大和政権の始まりは全く大きく和していない。中華的王権略奮手法ではないか。
これに瀬戸内の数国が加担していた。つまり西日本は中華的やり口に賛同していたということか。九州は中華の影響を受けたというより、中華に染まったのではないか。中華の一族が権力を握ったのでは。それが天皇家なのか。そんな国がアジアを白人支配から解放しようと戦ったのか。理解できない。権力は実際には武家出身者に移っていたからか?

雅楽が中華なのはやはり中華の影響が大きかったからで左方が中華と国振りにあてられ右方と相対するのは、中華日本vs朝鮮満州に見える。

天国の分国!国生みの話で天のつく国州島が天降るの天か、天国。海洋族だから陸の国でなくて島の連合体で良い訳か。阿毎氏。海人氏。うみんちゅ?

沖之島が重要な地ということが考古学的にもわかるのは興味深い。

韓神 加羅。宮中の祭祀に韓神の歌がある。

天国は九州周辺の島を拠点とし、出雲は北九州沿岸を支配していた。


古田さんの研究スゴイ。おもしろい。明析!