24 Apr 2022

雅楽の古譜を読む:傾杯楽

 ”けいばいらく”

以前作った音源動画では急をE Mixolydianとして修正していた。現存する雅楽の曲の譜を大体すべて読んで琵琶譜がかなり正確に書かれていることがわかったので、琵琶譜に従って急をE Dorianとした。


箏譜は白黒の画像で装飾音をしめす記号を正確に判断できなかった。それらは校訂しなかった。
箏と琵琶、仁智要録と三五要録は編集責任者が同一人物なので、両方を照らし合わせて、誤記を修正することができる。この曲の場合、仁智要録の急の譜には調弦を変更するという記述がないので、急が平調で演奏されるということがわからなかった。琵琶譜の方には書いてあったのだが、読譜の経験値が低過ぎて以前は判断できなかった。

木管楽器の譜は仁智と三五とは合わない場合がある。

傾杯楽は太食調の曲だが、破は太食調でも急は平調で演奏される。右方楽では長宝楽が楽章によって調が異なる例だが、こちらは主音も移動している。