17 Jun 2022

雅楽の古譜を読む:団乱旋

 ”とらんでん”

以前はMixolydian、Lydian、Ionianを試していた。

雅楽の古譜を読む:団乱旋

今回はD Ionianのまま琵琶と箏の譜をより正確に読み込んで、序の部分の鞨鼓に足らなかった撃止を追加した。


この曲は序として演奏される部分が多い。
旋法はIonianが正しいと思う。Mixolydianでは暗くなり、Lydianでは旋律が不自然になる。

琵琶と箏はかなりの正確さで書かれていることがわかる。箏の譜には菅搔を示すために弧線が書かれており、以前は弧線の無い箇所が多いのは写した際に書き漏らしたのかと思っていたが、実は正確に書き分けていることに気づいた。この箇所は琵琶に対応しており、琵琶はオクターブジャンプしていた。

笙の古譜がD Mixolydianで書かれているのは何故なのか?明らかに楽想がおかしくなる。
琵琶がD Lydianで書かれているのは、譜を読んでも正しく演奏できないようにしておき、師匠から直接ならうと正しい演奏ができるとして、雅楽を教える職を守ろうとしたのか?
江戸時代までは雅楽は一般民衆には学ぶことができなかったので、一般民衆に広まらないようにするための工夫だろうか?