16 Dec 2021

雅楽の古譜を読む:神楽歌3

代々神楽を受け継いできた楽家に多家がある。その家に受け継がれている多家秘書が誰でも自由にネットで読める。その中に神楽歌の譜がある。

この譜は江戸時代に書かれている。先の僕の読譜による神楽歌譜よりも民謡的傾向が少ないが、影響はたっぷりある。


和琴譜には単音で演奏する箇所はほとんど書かれていない。ほとんどギターのようにストロークで演奏される。しかしながら僕の復元では単音にしている。というのは常に掻き鳴らしているうるさいから。
和琴の奏法の内折る手と摘み手は取り入れているが、楽家録にある説明通りではない。これらを省いてしまうと旋律の細かい揺れが込み入り過ぎになってしまうので、用いざるをえない。第4弦はやはりCに調弦するものと思われる。Bでは歌と衝突する。D-Cが和琴で保続され、これはD7を感じさせるのでブルースっぽい。

先の神楽歌和琴合譜では折る手と摘み手も不要な要素であった。神楽歌譜はこれら以外にも残存しているらしい。ぜひ電子化して欲しい。

明治時代に雅楽を一般に普及させるため、1通りの演奏スタイルに統合した。神楽歌もそのようにして現代演奏される姿になったか。



多家の神楽歌は民謡っぽさを残しながらも整理整頓されている。折る手とか摘み手も混みで旋律の音価が決定されているように見える。韓神は後の早韓神はテンポを倍くらい上げる様子。
早韓神の笛は多家秘譜に掲載されているもの。音価を1/2にして読むと全体の長さが曲に合う。しかしながら歌とユニゾンではない。雅楽曲の楽拍子のように基本の旋律を元にしてはいるが、それからアウトな旋律が演奏されている。これは対位法的手法の結果か。演奏は歌とユニゾンの方が簡単だろう。6拍子なのがおもしろい。神楽曲には奇数拍子や変拍子が多い。和琴には一定のパターンがあり、繰り返して演奏されている。

Youtube上にある実演の神楽歌と比較すると、聞きやすいのがわかるだろうか?一定のテンポで演奏された方が聞きやすいはず。

歌のテクニックは盛りだくさん。Mozartのコンサートアリアは声楽の扱いが器楽の様だと批判されたそうだが、この神楽歌もシンプルな歌ではなく、音程を巧に操って歌われる。

神楽歌の元になった民謡は現代も残っているだろうか?

小前張以降は和琴の譜が書かれていない。薦枕は譜字の左に書かれた線が韓神と同一の箇所があるので、和琴も同一かもしれないが、はっきりしない。

神楽の最後は元風俗の部。ここには朝倉と其駒がある。
まずは朝倉。この歌は独唱で歌い手の腕前を堪能できる。朝倉には楽拍子というバージョンがある。通常のが5拍子で、楽拍子は6拍子でテンポは少し速め。



神楽歌の最後は其駒。これがおもしろい。神様は馬欲しいのか?



其駒は後に上拍子がある。これがまたおもしろい。

皇族は国文学の分野に影響力を及ぼしていて、学者の研究の自由に制限を加えたりしている。憲法にある学問の自由も民法も気にせず、介入し、皇族旧皇族旧華族に有利な状況を維持し続けている。皇族というのは日本神道の最高位の神官で、根本的に宗教家なのでハッタリ屋だし、まともじゃない。こういう奴等を日本の権威の最高位につけている国民はバカに違いないし、奴等を支えている旧皇族旧華族も頭おかしい。人智を超えた神などいるわけがないにも関わらず、神話を歴史と称して国家規模で国民をマインドコントロールしている。あまりにもアホ臭いが国家規模だと”ほんとうかな?”と思ってしまう。嘘だから、ハッタリだから。ちゃんと科学的に観察して、まともに考えるべき。