13 Dec 2021

雅楽の古譜を読む:神楽歌2

 神道の祭礼で用いられる神楽歌の古譜を読んで音源を作った。

読んだ古譜は神楽歌和琴合譜、江戸時代の写。この時代には既に遅いテンポに後代に成立した奏法を和琴に盛り込んで演奏していたと考えられる。今回の読譜ではそれらを排除して、元々の神楽歌を復元しようと努めた。

まずは神迎え




天之受女を巫女に降ろして踊らせると思われる。歌い続けるために歌い手は2つのグループに分かれて交互に歌う。そのための本方と末方か。韓神というのは朝鮮半島にあった国々の神のことだが、スサノオの子孫を指すらしい。朝鮮半島からの有力な氏族達を移民として多数受け入れたことから、彼らの神も祀って反乱を起こさせず、統治に協力させるためのアイデアか。

次は神遊び

どの歌も民謡調なのが興味深い。現代の神楽では民謡調には聞こえない。最後の早歌は短い歌の応酬でおもしろい。


最後は神送り。星の部と呼ばれているが、金星と月以外は出てこない。日本の神話や古い書物には星に関することがほとんど出てこないらしい。神楽ではもっと出てくるのかと考えていたが、全くそうでもなかった。あまりに星については語られなさ過ぎると思う。得銭子と木綿作は星に関係無いと思うが、和琴のパターンは5、4、3拍子を用いる点で共通している。神楽曲は変拍子が多い。
元風俗の歌は朝倉と其駒。これらは神が帰ることを表現していると思う。神は馬を欲しがっているのか?馬に乗って帰るものなのか?朝倉は楽拍子の方がおもしろい。


テンポはゆっくりな部分がM.M.=70-75、速い部分がM.M.=140-150位で倍異なると考えられる。その方が演奏がスムーズにできる。


歌はかなり高度に聞こえる。現在の雅楽の歌い手では到底歌えないのではないだろうか。民謡の達人なら歌えそう。雅楽の楽家は自分たちの技量では到底演奏できない古い曲をテンポをさげて、後々生み出した適当な技術で装飾し、荘厳さと芸術性の高さを装って、自分たちの楽家としての命脈を保ち続けているというところではないか。クズっだね、はっきり言って。そんな奴等に国の伝統音楽やらせてるのはおかしいと思う。現代の奏者でも凄腕になるまで腕磨いて本来の演奏して欲しい。