2 Nov 2020

雅楽の古譜を読む:高麗竜 破 急 高麗壱越調


日本の雅楽にかつてあった4種の獅子舞型の舞の一つ。琵琶の譜だけが残っている。

2020 11 04 国立公文書館内閣文庫の懐中譜に掲載されている。

天皇が五月の節句で競馬を見にいく時、御輿に乗って出かけるが、その御輿を先導したのが獅子舞型の舞の一つである蘇芳菲。その番舞となるのがこの高麗龍。高麗龍は天皇が御輿に乗り込む時(?)だったかに演奏された。

急は結構ご機嫌な曲想。2/4を唐拍子というのだが、中華っぽい。

三重県北勢地区の由緒正しい獅子舞、稲生流、山本流、箕田流、中戸流の曲も基本2/4拍子。中華の唐拍子の影響を受けているのだと思う。

この地域では神社守の像は狛犬と呼ぶ。見た目は獅子。社から見て左が獅子で右が狛犬、これが本来だが、現在は両方とも獅子になっている。狛犬には頭に一本角があった。

鈴鹿市の長太地区の獅子頭には頭に小さな突起が付いている。これは狛犬の名残りと思われる。しかし獅子頭自体は朱で塗られている。

獅子連中は自分たちの芸に高いプライドを持っているが、井の中の蛙なので実際の腕はたいしたこと無いし、自分たちの獅子の歴史とか研究しないのでよく分かっていない。

参考文献

  • 三五要録 宮内庁書陵部 鷹587
  • 教訓抄 日本思想体系 岩波書店
  • 楽家録 巻之十八、十九、二十一
  • 懐中譜 国立公文書館内閣文庫 199-0162