9 Nov 2020

雅楽の古譜を読む:進蘇利古 高麗壱越調

 

読譜ミスを修正したバージョン。

Youtubeで見られる蘇利古と同じと思われる。古譜では進蘇利古となっていて、退蘇利古はない。

篳篥の譜を見つけられなかった。

太鼓は高麗の4拍子を採用した。懐中譜は小節線は分かるものの小拍子がないので音価が分かり難かったので箏の旋律に合うように校訂した。

教訓抄によると早楽とある。

幾つか見たがどれも速いテンポに聞こえないのだけど。。。調も短調系に聞こえるし。。

教訓抄が書かれた平安末期には舞いは絶えていたらしい。そして儀式の退場用の曲として用いられていた。

アーフタクトの音価は8分音符なのか?4分音符なのか?アーフタクトはあまり効果を上げていないと思う。


高麗楽は繰り返しを多用していて唐楽より古めかしく感じる。また唐拍子と呼ばれる2/4拍子の曲が高麗楽に多く見られるのも興味深い。この曲は4/4拍子。

三重県北勢地区の獅子舞の曲が2/4拍子なのも興味深い。この獅子舞は田楽系と考えられるが、その田楽は伎楽から発展した様である。伎楽は百済から入ってきたことになっている。


”千と千尋の神隠し”に登場するキャラはこれらしい。

参考文献

  • 仁智要録 宮内庁書陵部 伏865
  • 三五要録 宮内庁書陵部 鷹931
  • 懐中譜 国立公文書館 内閣文庫 199-0162
  • 教訓抄 日本思想体系 岩波書店
  • 楽家録巻之十八、十九、二十一