29 Oct 2020

雅楽の古譜を読む:吉桿 高麗壱越調


読譜ミスを修正した改訂版。





笛の譜を見つけることができなかった。

2020 11 04 国立公文書館の懐中譜に笛譜が掲載されていた。

教訓抄には秘曲とある。 相撲の説に左方が勝った時に奏される剣気褌脱に対して右方が勝った時にこの曲が奏されたらしい。どちらも様々な猿楽(ジャグリング等)が出てきてそれぞれの芸を披露した。

唐拍子については楽家録巻之十八に太鼓の例があるが、鞨鼓の例は無かった。鉦鼓はどう打つのだろう?

10/30 唐拍子については楽家録巻の二十一に例があった。右方楽では三之皷を使う。

曲は2/4の2小節を繰り返すのが基本構造となっている。唐楽に比べると簡単。小節の頭拍から曲が始まるので、冒頭に太鼓が打たれる。唐楽では小節の半分から曲が始まる。

宮内庁書陵部にある伎楽譜の獅子も短いフレーズを繰り返す構造でできていた。

「力なき蛙、骨無きミミズ」をこの旋律で歌ったらしい。割と難しい。

参考文献

  • 仁智要録 宮内庁書陵部 伏865
  • 三五要録 宮内庁書陵部 鷹587
  • 三五要録 宮内庁書陵部 伏931
  • 教訓抄 日本思想体系 岩波書店
  • 楽家録 巻之十八、二十一
  • 懐中譜 国立公文書館 内閣文庫199-0162