30 Oct 2020

雅楽の古譜を読む:新靺鞨 高麗壱越調


まず靺鞨とは?靺鞨ーWikipedia隋(581-618)唐代に朝鮮半島の北方沿岸部(今はロシア)辺りに住んでいた農耕漁労民。後に渤海(698-926)を建国した粟末部と女真族になった黒水部から成る。

尿で顔や手を洗う習慣があったのは何故なのか?

雅楽も隋唐代に日本が取り入れたので時代は合う。その民族の音楽かと思われる。

渤海と日本は交流していたらしいので渤海楽というのが日本で演奏されたらしい。

鞨鼓ではなく三之皷が用いられる。唐拍子であるが16分音符と8分音符のセットの方を用いた。3連符の方は合わない。楽家録巻之二十一p690によると腰皷とも呼ぶ。これは伎楽の楽器。

伎楽は東アジア大陸に流行した仏教系音楽劇の集成で、日本に伝わったもの朝鮮経由で楽器を横笛と腰皷と銅拍子の構成にしたものではないか。

三五要録 鷹587調弦は平調(返黄鐘)で読んだ。小拍子と太鼓の百が書き込まれていない。伏931より補完。

箏は琵琶譜に対応させて太呂乞食調弦で読んだ。

六調子並高麗曲譜 伏808は曲の最後の繰り返し箇所が書き込まれていない。他譜を参考に補完。

パーカッションは太鼓と三之皷にし、楽家録の譜を用いた。冒頭の導入は綴拍子(楽家録巻之十八p.641)を用いている。


教訓抄p.181

右楽唐拍子の物というは、「新靺鞨」「崑崙」「狛竜」「吉桿」などである。これを早吹き物という。初拍子より綴拍子なり。

p.173

綴拍子 「胡飲酒」破躰の楽にある。

p.194

「胡飲酒」破の太鼓が書かれている。


楽家録巻之十八p.644

太鼓の唐拍子の説明がある。 

p.642

「胡飲酒」破の綴拍子の例がある。

p.643

唐拍子の例として「納曾利」急、新靺鞨等が上げられている。

楽家録巻之二十一p.693

三之皷の唐拍子の譜がある。三連符で構成されている。これをこの曲で演奏させると合わない。一説の方の16分音符と8分音符の組み合わせの方を用いた。譜には太鼓の強拍弱拍が逆に書かれている。

高麗壱越調はE lydianではないだろうか?

参考文献

  • 仁智要録 宮内庁書陵部 伏865
  • 三五要録 宮内庁書陵部 鷹587
  • 三五要録 宮内庁書陵部 伏931
  • 六調子及高麗曲譜 宮内庁書陵部 伏808
  • 六調子並高麗曲譜 宮内庁書陵部 伏872
  • 教訓抄 日本思想体系 岩波書店
  • 楽家録巻之十八、二十一

現代雅楽の動画が幾つか見つかる。

熱田神宮。。。おもしろくない。元の意味わかってるとは思えない。短調っぽく聞こえる。これだけおかしな事をこれだけ大掛かりにやっていたら当人達もおかしいとおもわなくなるのだろうか?
江戸時代初期に再興された雅楽は平安時代に隋唐の宴会用の燕楽を儀式用に整備したものではないだろうか?それが現代まで続いている。
元は宴会用の音楽なので、わかり易く楽しめたハズ。僕は儀式用のハッタリ音楽なんて要らないと思う。税金つぎ込むのおかしい。儀式など不要。おもしろい雅楽、燕楽だったころの雅楽を甦らせる方がおもしろい。