19 Oct 2020

雅楽の古譜を読む:千秋楽 盤識調

 

六調子並高麗曲譜によると早八拍子。16拍子、4拍子でも演奏されたらしい。

六調子並高麗曲譜と註大家龍笛要録譜に掲載されている譜はほぼ同じ。この曲は古譜にある通りに合奏させても旋律の流れが分かる。しかし箏の旋律をユニゾンで演奏させた時程すっきりはしていない。

教訓抄p.124によると1068-1072の大嘗会の時に中務省の諸庫の出納係の頼吉が作り、演奏した。頼吉は後に楽所預ずかりになった。笛の名手だった。盤識調には小曲が少ないのでレパートリーに取り上げることになった。

リズムパターンに2説ある。

  1.  早八鼓打つ、三拍子加える。
  2. 早四揚拍子(1小節4拍で2小節を1連とする)打ち、一拍子くわえる

Youtubeに動画がある。

天理大学のもあった。

古譜を読んで、それに書かれている音楽が生き生きと奏でられるテンポを探り設定している僕から見ると、彼らは死に体にされた音楽をそのまま演奏しているだけに聞こえる。そんなことに生きている時間使うの無駄じゃないのか?マインドコントロールされているというのはこういう状態じゃなかろうか?

この曲のタイトルは相撲の最終日に用いられるが、その関連はわからない。

教訓抄 p.123
剣気褌脱 相撲の節「猿楽」がこれを用いる。この猿楽とは左方の曲芸のことで、右方は吉簡。

p.106

狛犬相撲これを用いる。右方が勝った時に勝負の舞いとして演奏される。

p.75

昔相撲の節に撥弦楽器で抜頭が演奏された。


参考文献

  • 三五要録 宮内庁書陵部 伏931

  • 仁智要録 宮内庁書陵部 鷹593

  • 六調子及高麗曲譜 宮内庁書陵部 伏808

  • 六調子並高麗曲譜 宮内庁書陵部 伏872

  • 註大家龍笛要録譜 宮内庁書陵部 鷹609

  • 教訓抄 日本思想体系 岩波書店