延八拍子。ゆっくりしたテンポで1小節8拍。
リズムは繰り返しの最終回で三度拍子。テンポはこれまでの僕の製作した動画よりは遅いテンポに設定されているが、現代のテンポよりはずっと速い。
今回は源博雅による新撰笛譜をテーマにした。フレーズの多くは2つの音符でできていて、息継ぎが頻繁にある。朗々と歌うよりも語るように奏でるという印象。箏の旋律では派生音が多く用いられるが、この笛譜ではない。
楽拍子を採桑子と呼ぶらしい。楽拍子は旋律のラインが小拍子毎に区切られていて、一定の拍子が継続することが旋律を歌いあげることよりも優先されている。楽拍子では曲の個性が薄く感じられてしまう。楽拍子に関しては今後復元する意味がないと思う。
演奏したり、詠を読んだりが繰り返して行われる。4回繰り返されるのか5回繰り返されるのか説がある。
動画があった。他の曲とどう違うの?という印象。細かい節回しは他の曲でも耳にする。それには気づくのだが。
この曲は長寿を願うためのものらしい。仁智要録にある詠では100歳まで書かれている。今から1000年前に100歳まで生きる人がいたのだろうか?盤識調もインド由来の調と考えられている。仏教系の呪術なのだろうか?
雅楽には道教系の楽曲もあったのだが、明治選定譜から漏れて、廃絶曲になった。何故道教系の曲が廃されたのか?
盤識調では箏の音域が下がっている。そのため低い音域が多く使われている。笛もそれに対応して低い音を中心に割り当てた。
琵琶では二拍三連符が見られる。これが珍しい。
参考文献
- 三五要録 宮内庁書陵部 伏587
- 三五要録 宮内庁書陵部 伏931
- 六調子曲譜 宮内庁書陵部 伏855
- 六調子曲譜 宮内庁書陵部 伏892
- 仁智要録 宮内庁書陵部 鷹593
- 新撰笛譜 富山市立図書館 3828
- 六調子並高麗曲譜 宮内庁書陵部 伏872
- 楽家録