24 Oct 2020

雅楽の古譜を読む:鶏鳴楽 盤識調

仁智要録には2つのバージョンが掲載されている。

前者は4拍子に見えるが、8拍子でカウントしないと速すぎる。おそらくこちらが只拍子で、他方が楽拍子と思う。

新撰笛譜にはこの曲は無い。

三五要録 鷹587の9拍目前の辺りの不明箇所は伏931から補完した。

六調子及高麗曲譜 伏808の篳篥の旋律は跳躍が鶏の鳴き声を思わせるフレーズを含んでいる。この曲のテンポは鶏の鳴き声に聞こえる位だろうか?

教訓抄p.123によると換頭のある只拍子。吹き出しは普通の楽に似ていない。三度拍子を加える。臨時深更還御時(?)この曲を奏して退出の曲とした。

鶏が鳴くときこれを歌う。あるいは鶏鳴を歌う者『林歌』なり。

この曲の楽拍子については触れられていない。

管楽器の変奏方には旋律の音を装飾するということ以上の変奏が行われている。

これまで音源化してきた20曲程の中でも曲によって変奏の程度が異なる。特に横笛。

参考文献

  • 仁智要録 宮内庁書陵部 伏865
  • 六調子及高麗曲譜 宮内庁書陵部 伏808
  • 六調子並高麗曲譜 宮内庁書陵部 伏871
  • 三五要録 宮内庁書陵部 鷹587
  • 三五要録 宮内庁書陵部 伏931
  • 教訓抄 日本思想体系 岩波新書