19 May 2022

雅楽の古譜を読む:新羅陵王

 ”しんらりょうおう”

羅陵王という曲の新しいバージョンなのか?陵王という曲の新羅バージョンなのか?


陵王、羅陵王という曲は古楽に分類されている。曲は長大。


新羅陵王という曲は新楽に分類されている。左方楽にあるのだが、曲は陵王よりコンパクトになっていて洗練されている。


曲がコンパクトで洗練されているのが右方楽の特徴なので、古くて長大な陵王をコンパクトに洗練したものを右方楽の陵王とする予定だったのではないだろうか?

しかし右方楽の高麗壱越調に移調すると沙陀調(D Lydian)から高麗壱越調(E Ionian)に、旋法が変わってしまい単なる移調とはならないので諦めたのではないか?曲そのものの出来は良かったので、左方楽として残したのでは。


現代は右方楽に抜頭があるが、古譜にはない。新羅陵王は林邑楽を右方楽に渡すという先駆的作品だったのではないだろうか。