7 Mar 2019

Explanation of lion dance 4


花の舞 序奏

序奏は舞出し345のものに似るがより簡素になっている。著者による校訂では23小節目から4小節間は3/4拍子としている。ビデオでは2/4拍子に付け足すように装飾音が演奏されており、明確に3/4拍子と判別できるほどではない。コンピューターに演奏させると2/4拍子で表すよりも3/4拍子とした方がビデオの演奏に近かったので、3/4拍子とした。この部分は花の舞の主要テーマーの結句であり、何度も現れる。

花の舞1-4

主要部分は15に分けられる。花の舞の主要テーマに工夫を加えながら15回繰り返している。
花の舞の主要テーマは本来は本来は長調であり、天下太平を感じさせるものだったと考えられる。しかしながらビデオの演奏ではEEbに聞こえ、陰鬱な様相を表している。これは笛の調律が曲に合っていないからである。
1曲から第4曲までは同一曲の繰り返しである。主要テーマは低音域で静かに演奏され、15小節目から突然活気のある部分が奏され、18小節目からは再び静かになる。20小節目の装飾音は楽譜通りに演奏されていないように聞こえる。18-21小節は4-7小節間をオクターブ上で演奏したものであるから、装飾音は理想的には18-21小節と同様と推定できる。笛の特性上、演奏が難しい音程であるが、それをこなせる程磨き抜かれた腕前ではないとも言える。22小節目からは本曲の始めからをオクターブ上で演奏している。55小節目からは再び3/4拍子の部分になる。ビデオの演奏ではこの箇所では装飾音符がやや多かったので、そのまま譜にしている。

花の舞5

主要テーマに独自の朗らかな旋律(15小節目から)を追加したもの。ここで追加された旋律は14曲目で再登場する。

花の舞6,8,10,12

主要テーマのみ。6810は同一曲である。第12曲は最後の部分が若干異なるのだが、同一曲と見て良い。

花の舞7

主要テーマのみの変形。

花の舞9,11

主要テーマと花の舞1-4で用いられた活気ある部分を短く纏めたもの。910は同一曲である。

花の舞13

主要テーマに序奏のモチーフを追加したもの。

花の舞14

主要テーマの繰り返しに第5曲に登場した朗らかテーマを加えたもの。

花の舞15

主要テーマの後、これまで演奏された曲の特徴的部分が短いフレーズで次々に再現されていく。舞出し345の落胆のテーマがまず加わる。22-23小節は本来は24-2526-27小節と同じ音程と考えられる。ビデオの演奏の中には22-23小節目だけ音程が低いものがあったのでそれを譜で表しておいた。次に座付、だんちょで用いられたB-A-Gの繰り返しが再登場する。こっこっこっ、舞出し3、舞出し5で用いられた結句で終わる。終結感が物足りないのは舞上げが残されているからだろうか。