基準音程
楠村神社で使用されていた獅子笛は405hz程度であり、周辺地域の箕田流の笛よりも高い。これらは昭和40年に奉納されたものであり、それよりも前の笛については記録がなくわからない。箕田流の獅子舞を伝承している地域によってピッチが異なる場合もある。名古屋市の菊田雅楽器が箕田流用の横笛を作っている。そのピッチは392hzである。便宜上笛の指穴を全閉して得られる最低音をCとして論じる。
音階
全曲を通じてC Lydian scale(c d e f# g a b)が用いられる。これは雅楽でいう沙蛇調(d e f# g# a b c#)を全音下げたものに相当する。その他、一時的にC melodic minor scale(c d eb f g a b)が使われる。楽曲構成
テンポのゆっくりな序奏とテンポの中庸な主要部分からなる。雅楽の楽曲にも見られる構成である。モチーフ、旋律は繰り返して用いられる。日本伝統音楽は主音と第4音を核音としてそれらの周囲を漂うように構成されるが、主要部分の旋律は主音と5度が軸になっており、トリル、前打音からなる装飾音を多数伴う点で西洋バロック音楽に近い。主要旋律が定調的に繰り返されるので飽き易い。