21 Jul 2021

雅楽の古譜を読む:蘇合香 盤識調

 ”そごうこう”

この急の笛譜伏872は倍長い音価で読むと他のパートと合う。

只拍子四鞨鼓がベースでこれに笛譜は合う。しかし他のパートは8拍子で書かれている。

この楽章はかなり速いテンポで演奏されたのだろう。


僕はどの曲も速めのテンポを設定している。それは旋律を聞き取り易くするため。
これまで雅楽の古譜にある曲を読んできたが、それらの全てが現在の4倍から12倍のテンポで演奏すると耳に馴染み易い旋律を持つことがわかった。

幾つかの曲の笛の旋律は装飾が過多になり、テンポを落とさないと演奏できなくなる位である。

新撰笛譜の旋律は装飾がほとんどなくシンプルだが、旋律として完成している感じではない。あくまで箏、琵琶の旋律を補強するのが目的のような完成度の低さがある。

これに対して竜笛延忠拍子譜にある旋律は装飾がついていて、且つ延ばしの音価も正確に書かれているので旋律としての完成度が高い。これは管楽器だけの演奏でも聞くに耐えると思う。