3 Jan 2022

雅楽の古譜を読む:朗詠

現存する歌譜を読んできて、その発展の歴史の大体のところを考えてみた。


現存する古譜をベースに考えると、まず大和舞歌があった。これは和歌を歌詞として用いていた。2/4拍子がベースなので、和歌の1節毎に末尾に1拍休符がくる。歌詞に旋律を付けるという手法だったと思われる。


日本各地で民謡が発展する。それらは風俗歌として宮廷の舞楽にも取り入れられた。まだヴォカリーズは無い。


大和歌から幾らかの曲を取り込んで神楽歌が作られた。これには民謡も導入された。ヴォカリーズが用いられた。


東国では東遊歌が歌われていた。これにもヴォカリーズが用いられている。それらは高度。


唐楽(宴会用中華曲)が日本に入ってきた。これらは元は当時の中国語の歌詞がついていた。それらは詠(えい)として現存している。これを参考にして旋律に歌詞を付けると言う手法がとられ、催馬楽が生まれた。


大和舞歌をベースにその発展形として朗詠が作られた。和歌の定形を破るため漢詩やそれを訓読したものを歌詞として用いた。技巧的なヴォカリーズが多様されている。


今様は朗詠の型破りで技巧的に高度な歌い方を7575の字数の形式を歌詞として行ったもの。