新羅陵王 破 沙蛇調
拍子8
教訓抄
舞いは絶えた。近来天王寺では倍臚の破に用いる。
仁智要録の説明では3回繰り返す。終帖に拍子を加える。
南宮笛譜では
3回目に三度拍子
三五要録の綿譜説は仁智要録に合わない。
龍笛と篳篥の破の譜がない。
陵王の入破の笛と似ているところがあるが、同時に演奏させると大半がテーマから遠すぎることがわかる。なので似ている箇所のある別の曲。
新羅陵王 急 沙蛇調
拍子16
伏865の太鼓の百の欠落を鷹593で修正。
六調子並高麗曲譜 伏872の小拍子の欠落は仁智要録の旋律と対応させて補った。
お気楽極楽調の曲に聞こえる。沙蛇調はD Lydianなのでこれで正しいと思われる。龍王がご機嫌でおもしろおかしく舞うという印象。
繰り返し箇所の反付は六調子並高麗曲譜伏872に従った。
教会旋法に限って考えると明るい調はLydianとIonian、Mixolydianであとは暗い調(b 3rd)になり、暗い調の方が多い。人間の心は暗い方へ惹かれるのかもしれない。
沙蛇調が壱越調に吸収されたのはどうしてなのか?やはり管楽器の技術レベルが低くなってしまって沙蛇調に出てくるG#やC#を自在に出せなくなってしまったのか?
現在の龍笛は楽家録のサイズに近い。龍笛より低い神楽笛より太いのでおかしい。求められるピッチに合うようなサイズで作れば、古譜に出てくるように最低音がDで指穴が小さい笛になるのではなかろうか?これならトリッキーな演奏も可能と思う。
双調へ移調したものを復元している演奏。
双調へ渡された版の演奏は格調高く聞こえる。箏は聞けるが笛は。。。。。
沙蛇調が壱越調へ吸収されたのは格調高く聞こえるからだろうか?
参考文献
- 仁智要録 宮内庁書陵部 伏865
- 仁智要録 宮内調書陵部 鷹593
- 三五要録 宮内調書陵部 伏931
- 六調子及高麗曲譜 宮内庁書陵部 伏808
- 竜笛要録譜 宮内調書陵部 鷹609
- 大家竜笛要録譜 宮内調書陵部 伏893
- 六調子並高麗曲譜 宮内調書陵部 伏872