4 Feb 2021

雅楽の古譜を読む:胡飲酒 壱越調

 

”こいんじゅ”と読む。

伎楽に胡国の王と侍従が飲んだくれる演目がある。酔胡(すいこ)。胡飲酒は酔胡と同じテーマに基づいていると思われる。


612年伝来の伎楽。諸仏の供養には楽を以って行うべしという詔によって、伎楽を以って儀式が構築された。150年間位はとても人気だったらしい。

大陸から伝来した曲には同じテーマを元にしているものもあった。それらを古い伎楽の曲と入れ替えたり、曲を追加したりして、仏教の法会は荘厳化されていったのではないだろうか?

所詮法会なんてでっちあげのことだからどうでも良いことではあるが、発展の歴史は面白い。雅楽が左方楽、右方楽に整理されたのは平安時代の末期頃のことらしいが、寺社の法会はそれより以前からあるので、雅楽が整理される前の様子がわかる。

林邑からもたらされた仏教系の楽曲は林邑楽としてまとめられていた。左方楽にはそれら林邑八楽が属している。