14 Sept 2020

雅楽の古譜を読む:武徳楽 壱越調


 9/14動画差し替え。先の投稿では繰り返しを用いず、古譜のまま合奏させていたのだが、他の雅楽曲を同様の手法で合奏させるととても聞けたものではないケースが見られたのでこの動画も組み直した。武徳楽の竜笛、篳篥の変奏は箏のテーマからそう遠く離れていない。エンディングで用いられる曲なので、奏者の腕前を披露するという目的は主眼におかれていないと思われる。

この曲は伎楽の最後に演奏される曲で、この曲が演奏される間は舞いは舞われない。
エンディングに使われていると思われる。
今回は現存する雅楽の古譜を読んで、それらを洋譜に直し、それをコンピューターに打ち込んで重ね合わせて演奏させてみた。
それぞれの楽器の音域を守らせるとそれなりに聞けるように鳴った。
以前は一回の繰り返し毎に一つの楽器とが旋律を演奏し、次の繰り返しではまた別の楽器が、と続けていき、最後は全員で演奏すると考えていたのだが、Tuittiでもそこそこ聞けるのがわかった。
譜の読み方はまだ手探り中である。特に笛譜の読み方が今一わからない。

用いた楽譜のソース:  
  • flute (壱越調曲譜 伏824)
  • English horn (懐中譜@東京国立博物館 QA-1368)
  • Harp (仁智要録@宮内庁書陵部 伏865)
  • Slap Bass (三五要録@宮内庁書陵部 伏931)

読める古譜もあれば読みにくいものもある。誤字もあるし。

今回笙を使わなかった。無くても構わないと思っているが、そこまで手が回らない。曲の下の姿を知るにはこれで充分と思う。

現代の雅楽はDr. Laurence Pickenによってテンポが異常に遅く演奏されている事が指摘されている。僕は彼の主張に沿って、原曲を味わうことができる程度のテンポで古譜を読んでいる。