都々逸をいくつか採譜してみた。
2/4拍子と思われるが、崩れている箇所が散見する例が多い。
旋法(音階)はフリギア旋法(phrygian mode)か、その構成音をいくつか省略した六音、又は五音音階である。
五音音階の場合は小泉文夫のテトラコルドの方が説明しやすい。松浪千尋、恩田愛はフリギア旋法の方が説明しやすい。
歌の末尾で旋法の第2音が長2度になり明るく響く。終止のために一時的にエオリア旋法(Aeolian mode)の第2音を借用しているか。
似た例にはピカルディ終止というのがある。これは短調の曲が、その末尾で長三和音で終止する。Aeolian modeの曲がIonian modeの第3音を借用して終止している様なものか?
小泉理論で言えば、旋法下部分の都節のテトラコルドが、律のテトラコルドに変化して明るく響くというところか。
Wikipedia:都々逸にはリズムについて次の様に書かれている。
七・七・七・五はさらに(三・四)・(四・三)・(三・四)・五という音律数に分けられることが多い。この構成だと、最初と真中に休符(英語版)を入れて四拍子の自然なリズムで読み下せる。
例えば、先の唄なら、
△こいに こがれて なくせみ よりも△
△なかぬ ほたるが みをこが す△△△
となる(△ が休符)。なお、この最初の休符は三味線の音を聞くため、との説がある。
実演の場合、合の手の三味線が入るので句毎に間が設けられており、第1句と第2句の間にも間がある。
7775の音数律である。この形式には先例がある。
投節、弄斎節、甚句、潮来節、よしこの節、名古屋節(「どどいつどいどい」はこれ由来)
「潮来節」からその変種の「よしこの節」が生まれ、さらにこの変種として名古屋節の合の手を取り込んで「都々逸」が生まれたらしい。誰でも歌える様に簡単な節回しにされたらしい。
甲南女子大学で都々逸の資料が翻刻されている。
https://www.konan-wu.ac.jp/~nichibun/kokubun/54/54kikuchi.pdf
菊池先生のサイト
http://www.kikuchi2.com/dodo/dodosekai.html