これは釜で沸かした湯に笹を突っ込み、湯を観衆にかけて、祓い清めとする呪術の類である。伊勢神宮外宮の御師の家で行われていたものが、御師によって日本全国に広められたらしい。国会図書館デジタルコレクションの伊勢参宮名所図会に神楽の絵が収録されているものがある。
その絵中の説明を読みたいのだが、完全に読めない。
他の神社のように神前弾く神楽と呼ばず、太々(だいだい)神楽と呼んでいる。
御師の家に神前を構え神楽役人を集めて行っていた。神楽職の外、かつて知られる事はなかった。両宮には伝わり、旧記には書かれていない。内待所の御神楽を模したとも言われている。
当時は太々神楽と呼ばれていた。
太神楽には伊勢太神楽と呼ばれる獅子舞が三重県にある。信長に負けた滋賀の六角左々木が落ちのびて、山本流獅子舞を習って始めたものである。獅子舞は仏教由来。
太々神楽は愛知県にあり、獅子舞ではなく、神職と巫女が舞っている。
湯立ては静岡県の高根白山神社に伝承される古代神楽では、修験道を治めた者によってのみ執り行われるものとされている。
地域によって仏教や修験道に取り込まれた様だ。
伊勢御師はこれを良しとしていたのは、獅子舞の回檀で伊勢神宮のお礼を配っていたので、ここにビジネスが成立していたからではないか。獅子舞役の代表者が、回檀の収益でお伊勢参りを送っている例が今もまだある。伊勢参りの目的は主に古市遊廓での精進下ろしだっただろう。