仁智要録の説明によると平調で弾くとある。左手の技法の残っていない楽譜、六調子曲譜
伏807で太食調弦で読んで鳴らしてみたところ、なかなかおもしろかったので太食調版と平調版を作ってみた。
管楽器の譜は調によって固有の派生音が反映されていない。太食調版は箏はAをG#に、笛はGをG#にしている。笛の場合クロスフィンガリングを用いるとエンディングホールが変わる。Gのエンディングホールは第4孔だがG#だと第3孔になる。これだと譜字がエンディングホールを指している意味がなくなる。よって太食調版は正解に近いとは言えない。
平調版は古譜通りと一応言えると思う。
太食調はE lydianなのでDがD#になるはずだが、笛でD#の譜字が全く用いられない。これは笛は指穴6孔だったことを示しているのではないか? 太食調はMixolydian。第7音がDで正しい。
龍笛の第7孔 D#が用いられている曲を調べてみたい。
拍子が22、23、24と複数の版がある。22と23がほとんど同じ例もある。最も長い構造を持つ版がすべての譜にあるようなので拍子23を選んだ。
これは高校生の演奏らしい。これ演奏していて何がおもしろいのか?集団催眠状態なのではないだろうか?
なかなかこの曲の動画がない。
参考文献
- 仁智要録 宮内庁書陵部 鷹593
- 六調子曲譜 宮内庁書陵部 伏807
- 三五要録 宮内庁書陵部 伏931
- 三五要録 宮内庁書陵部 鷹587
- 三五懐中元本 宮内庁書陵部 伏848
- 六調子及高麗曲譜 宮内庁書陵部 伏808
- 六調子並高麗曲譜 宮内庁書陵部 伏872
- 註大家龍笛要略譜 宮内庁書陵部 鷹609
- 教訓抄 日本思想体系 岩波書店