この曲は新撰笛譜に掲載されている。現在は廃絶曲。
新撰笛譜の譜字の”引”は延ばす音価を具体的に示していない。そのため箏譜と対応させないと何拍延ばすのかわからない。
仁智要録には2曲掲載されている。
1曲目は只拍子と思われる。この譜は曲末に2拍の休符がある。この休符は管楽器にはない。
2曲目は箏のアルペジオが一定の間隔で入るので楽拍子のように聞こえるが、楽拍子特有の旋律の変化がない。箏独特の派生音を用いた装飾はわずかだけ用いられている。
この曲の説明
早八拍子(早八羯鼓)なのでテンポは速いめに設定した。
篳篥の最高音が続く部分は特殊な奏法なのではないか?wowwow聞こえるようにするとか音色を変化させるtimbre fingeringとか。
盤識調の箏の調弦によって音域が下方へ下がる。龍笛は第1オクターブを中心に演奏したのではなかろうか?それが盤識調の枯れた味わいの要素の一つではなかったか。
この曲の曲名を”遊児女”とする説もあるが、子供の女子が遊んでいる様子が表現されているようには聞こえない。隋の皇帝煬帝並子が作るという説がある。”並子”は不明。後宮に使える女が作ったか?
参考文献
- 六調子曲譜 宮内庁書陵部 伏871
- 新撰笛譜 富山市立図書館 3828
- 六調子及高麗曲譜 宮内庁書陵部 伏808
- 仁智要録 宮内庁書陵部 伏865
- 三五要録 宮内庁書陵部 鷹587
- 教訓抄 日本思想体系 岩波新書
- 楽家録