11 Oct 2021

雅楽の古譜を読む:伊勢海

 ”いせのうみ”

催馬楽の律歌。催馬楽とは管弦伴奏付の歌。律歌とは平調の歌。

歌の部分をどのように音にするか問題だったが、NEUTRINOがフリーで使えるのでなんとかなった。

楽譜は箏琵琶は仁智と三五があるので信頼できるが、管は江戸時代になってから作られた復元譜かもしれない。全曲分ないし。それらは音価がはっきりしないので、弦の譜を参考にして音価を設定してく必要がある。

歌の譜は音程が書かれていない。歌は弦楽器のメロディーを参考にして作った。幸い譜には歌詞が書かれている。


この曲は日本伝統音楽研究センターも復元している。


現代版。不出来な編曲でつまらない音楽になっちゃってる。こんな程度のものを宮内庁雅楽部が演奏しているのはとても残念。自分たちで自浄的に改善できないのは話にならないと思う。それをさせない日本の権威はもっと残念。中身無い。



9 Oct 2021

NEUTRINOメモ

 オンライン版を動かしてみようとしているが、エラー多発だった。サイトの説明によると空ディレクトリがアップロードされない環境があるとのこと。これが原因だった。

セットアップの2でのNEUTRINOのパスは左のペインから該当ディレクトリを探し右クリックでパスをコピーしたものを使う。

scoreの下にディレクトリを用意しておかないとサンプルファイルが作成されない。

label/full/

label/mono/

label/timing/


NEUTRINOの下にoutputディレクトリも必要。


説明しているサイトによるとオンライン版はローカルのLinuxでも稼働するとある。

Puppy Linuxなのでdevパッケージを導入した。NEUTRINOディレクトリに入って、NEUTRINO.ipynbに書かれているコマンド(オンライン版のコマンド)の3番を実行するだけ。

実行はmusicxmlファイルをscore/musicxmlに入れて、NEUTRINO/Run.shをテキストで開きファイル名を修正して実行する。

Run.sh内のNSFを実行する箇所はコメントアウトできる。


オンライン版はGPUが使えない時がある。ローカル版ではNSFは作れないがWORLDまではできる。

musicxmlファイルは歌詞を書き込む機能で歌詞を書き込まないと”エラー”がでる。

各modelの音域に合わせてmusicxmlを作らないと音が悪い場合がある。

6 Oct 2021

雅楽の古譜を読む:退吹による調子

 ”ちょうし”

雅楽で舞人が入退場する時に演奏される曲。対位法という技法で作曲されており、各楽器が異なる旋律を同時に演奏することで成立する。


楽家録によると管楽器は複数の奏者がこれに参加し、先の奏者に1拍遅れて演奏する退吹という手法で演奏するとある。

鞨鼓など打楽器も退り叩くらしいが。。。。

弦楽器については書いてなかった。


先に演奏されるのは各楽器毎に良い感じの組み合わせでカノンにしたものを首席奏者だけで演奏させた調子に組み込んだもの。伝統的手法ではない。
弦楽器のカノンにしている。

後のは楽家録にある伝統的手法によるもの。


首席奏者だけによるものがこっち。こっちのがシンプルで聞きやすい。2管編成以上はごちゃごちゃになるだけの印象。重ね過ぎもつまらなくなるらしい。


5 Oct 2021

雅楽の古譜を読む:獅子

 獅子舞の獅子。

612年に妓楽という仏教系仮面音楽劇の一部として伝来した。以後現在に至るまで舞われている。四天王寺の精霊会で舞われているものが最も古いと思われる。しかし、鎌倉時代に教訓抄によると平安時代末期の時点でオリジナルである宮中の獅子とコピーである四天王寺の獅子はすでにかなり異なっていたらしい。つまり四天王寺の獅子は宮中の獅子曲とは異なるものが受け継がれている。


妓楽の譜が3つ程現存している。単独で譜に残っている2曲とそれらを集めて動画にした。


地元の獅子舞の曲に似ているものがあるだろうか?


1 Oct 2021

雅楽の古譜を読む:調子

雅楽の楽曲はそれぞれの調に属している。言い換えればその調の音階で作られている。

調子とは舞人の入退場やチューニングの代わりに演奏される対位法による曲のこと。

小学校や中学校の音楽で習う輪唱というものと同じ手法で作られている。構造はもっと複雑でルール違反が多いが。

各楽器だけで調子を演奏してみるとどれくらいの間隔を置いて輪唱すれば良いのかわかりやすい。 

箏の調子から幾つかでやってみた。


前半は盤識調で後半は壱越調。輪唱する間隔が丁度良いところを探しておくのが、合奏前の各楽器セクションの義務だったと思う。
こっちは双調から。


現代とは異なる古い雅楽のスタイルではこうやって豊かな響きを作って楽しんでいたらしい。


雅楽の古譜を読む:新撰笛譜

双調、黄鐘調、盤識調しか現存していない笛の譜面。

この譜面は音価が明確に書かれていないし、小拍子や百の位置が仁智要録や三五要録と異なっていたりして読むのが困難である。

仁智要録や三五要録に同じ曲が収録されていれば、それを手がかりにしてこの笛譜を修正したり、音価を設定して読むことができる。音価が明瞭に示されている譜がなければ、正しく読めない。先の記事にある仁智要録の妓楽の様になってしまう。

 後世の笛譜は音価を明瞭に記すようになっている。譜は進化していたらしい。

雅楽の古譜を読む:伎楽 仁智要録巻の12

 ”ぎがく”

3つの楽譜を読んだ。他にもあるのかもしれないが個人的に見つけられていない。

この内の一つが関西大学のデジタルアーカイブで公開されている仁智要録巻の12にあるもの。

これは箏のための譜で、打楽器については全く書かれていない。

この譜を初めて読んだ時、菅掻きを1拍としてカウントして単音を前の菅掻きの音価に組み入れることを思いついた。というのは1文字1拍で読んでも旋律として今ひとつキャッチーでなかったからだ。

現存する雅楽の古譜のほとんどを読んで、だいたい雅楽の全貌がわかったので、再度妓楽譜を読むことに挑戦した。

まずは音取や調子、独奏曲のように一文字四分音符1拍で読んだ。それがこちら。

よくわからない旋律。つまらない。

改めて初めて読んだ時の手法を試した。

やっぱりこれが当たりのようだ。読譜の留意点をまとめると
  • 菅掻きを1拍として読み、その後の単音を菅掻きの音価に含める。
  • ”火”はそれが付く音の音価を半分にする。
  • 余白を持ってグループ化されている箇所は菅掻きを複数含んでいても1拍とみなす。

簡単過ぎる!


未だに良く分からないのは打楽器。三鼓と銅拍子を伴うのだが、リズムパターンがはっきりしない。三鼓は高麗楽に用いるのだが、そのリズムパターンを妓楽の曲につけるととてもおかしい。合わない。壱鼓のパターンは良く合う。しかし鼓と銅拍子だけで四拍子の三度拍子を打つと一泊目が空拍になる。これで良いのか?鼓は少なくとも2つのグループに分かれて、一泊目を明示するグループと三度拍子を叩くグループがあったのではないだろうか?

この妓楽譜では打楽器は倍のテンポで演奏するのかもしれない。そうでない曲ももちろんある。酔狐、大狐等。これらは序が合う。

この妓楽譜では呉公が冥土となっている。三五要録では呉公である。これらの楽譜の編集者は同一人物なのだが。