”ぎがく”
雅楽以前の仏教系無言仮面音楽劇。この中に天狗の元になる治道や獅子舞が入っていた。
伎楽の譜面は複数残っていて、それぞれに旋律が異なっていたりする。おもしろいのでそれぞれ音源にしている。
以前に2つ読んで音源にしていた。今回は内閣文庫にある伎楽龍笛譜を読んだ。伎楽には複数の曲がある。中でもこの伎楽譜の迦楼羅はとても長く、即興的な旋律が書かれていて完成度が今一つだったりする。
雅楽以前の音楽もかなり聞きやすい。旋律には工夫がなされていておもしろい。
以前に読んだ他の伎楽譜も改めて読み直して音源化した。
関西大学デジタルアーカイブにある仁智要録12巻に収録されている伎楽。伎楽は笛と鼓、銅拍子のみによって演奏されるのだが、この譜は箏のための譜で打楽器については何も書かれていない。
曲によって主音が異なるが、調律は壱越調の調弦のみで演奏されるものと考えられる。この方が調弦を変更しなくて良いので、次の演目へスムーズに入れる。この譜では冥土とされている曲がある。これは江戸時代に宮廷の雅楽復興の折に書かれた楽家録にある伎楽の説明に書かれている。この譜面には一定の拍子が記されていない。それ故音取や調子という曲の譜の読み方で読んだのだが、この手法で読むと全ての音価が基本的に一定となる。以前読んだ折にもこの問題に直面してつまらない旋律が現れてうんざりしていた。菅掻きによる音を常に一拍としてカウントして単音は菅掻きの音価に含ませることによってかなりおもしろい旋律になったが、トータルの小節数が音楽的におかしくなっていた。
宮内庁書陵部に天感楽外伎楽譜という曲集がある。これは林健三氏によって伎楽の論文が書かれている。遠隔コピーを頼むとかなり高額。すでに誰かが以来して専門業者によって写真が撮られているおり、宮内庁書陵部がその版権を持っているであろうと思われるが、未だにネットで画像が公開されていない。