掲載されている箏の譜は明治撰定譜と同じだった。
歌詞のついている琵琶譜は異っていた。
平安時代末の古譜と比較してみたところ、全然違った。ただ同じ曲であることはなんとかわかる。
筝はA minor Penta tonic A B D E F#
琵琶はA B C(C#) D E F# G#
というMinor melodic or A Ionian scale。
箏は左手で音程を作らないので、五音音階になっている。琵琶の旋律は合わないところがあるし、CとC#が両方出てくるのおかしい。効果的に出てくるならまだしもそうじゃない。
僕の古譜の研究ではA Lydianだからさらに明るいと考えている。D#が高麗曲にのみ在る特徴的な音なので、それは使うハズと考えている。
明治撰定譜は関西各地で演奏されていた雅楽と江戸時代に復興された雅楽を統一して作られたもの。地久については平安時代に成立した箏琵琶の古譜が考慮されていないことがわかる。古譜よりも各地で伝承されて、変化した方を活かしたわけか。